住宅の外壁塗装では外壁や屋根以外にも、「付帯部」と呼ばれる箇所も塗装します。
外壁塗装に掛かる費用は極力抑えたいものですので、「付帯部塗装なんてしないで外壁のみで良いのでは?」と思う方も多くいらっしゃることでしょう。
付帯部塗装は塗る箇所によって建物の保護ではなく、実は美観だけが塗装目的になる場合もあります。
より付帯部の塗装は必要ないんじゃないかと思ってしまうところですが、今回は付帯部ごとの塗装の意味合いや必要性についてみていきましょう。(^^)/
外壁塗装では付帯部塗装も一緒に行う必要があるのか?
外壁塗装において、塗装箇所は外壁だけできれば一見問題ないように見えます。
ですが、外壁塗装と同時に付帯部塗装も提案する業者が大半でしょう。
実際に現場調査後に提案させて頂く際にも、「付帯部塗装は必要なの?」とお客様から言われてしまうことも非常に多いです。
業者はやはり専門家ですのでわかりますが、消費者としては専門家ほど知識はありませんので、どうしても認識の違いが出てきてしまうものです。
こちらでは付帯部塗装について消費者でもわかりやすく紹介していきますので、付帯部塗装は自分にとって必要なのかを判断するために参考にしてみて下さい。
付帯部とはどこを指すものか
付帯部とは住宅の外壁と屋根以外の部分のことを指します。
具体的にいうと、軒天、雨樋、雨戸・戸袋、庇、破風板、鼻隠し、笠木、水切り、といった部分になります。
まとめて付帯部塗装とは言われますが、それぞれ材質が異なり、塗装の目的も変わりますので、個別に特徴をみていきます。
付帯部は数が多いので、今回は代表される4か所についてまとめました。
軒天:付帯部塗装の特徴
軒天とは軒下から真上を見た際にある天上のことを言います。
軒天は隠れた位置の部分を指しますので、通常、外からは見えずらいものになります。
そのため、軒天の付帯部塗装は美観が目的ではありません。
軒天の付帯部塗装は劣化を防ぐ目的で行います。
軒天は位置の関係上、雨風による雨水や湿気がたまりやすい箇所で。
陽は当たりにくい箇所ですが、気づかないうちに劣化が進んでしまいます。
軒天の劣化が進むとシミや色褪せ、カビやコケといった症状がでてきますので、外壁塗装と一緒に塗る必要があります。
雨樋:付帯部塗装の特徴
雨樋とは屋根から流れる雨水を集めて流す働きをします。
屋根の先端を取り囲むようについてますので、外からは良く見える位置にあります。
雨樋は塩ビを素材としていることが多いので、傷がついたり破損しない限り劣化することはありません。
そのため、雨樋の付帯部塗装は美観を保つために行います。
付帯部は外からも良く目につきやすく、外壁だけを塗装した場合、雨樋の汚れが目立ってしまいます。
塗装の必要が無いからと言って雨樋の塗装をやらなかったとしても、仕上がりを見ると思っていた以上に雨樋が目立ってしまい、結局雨樋塗装を追加したという方も実際にいらっしゃいます。
また、雨樋は家を取り囲むようについてますので、塗装をしない場合に養生を施すのですが、養生の面積が広いのと手間を考えますと塗装をしたほうが良いという場合もあります。
雨戸・戸袋(鉄部):付帯部塗装の特徴
「雨戸・戸袋は夜閉めるしあまり見られることもないから…」
ということで見送られるかたもいらっしゃるかもしれません。
雨戸・戸袋は金属でできていますので、劣化が進むとサビの発生、サビから穴が開いてしまいます。
穴が開いてから取り換えるとなると余計な費用が掛かってしまいますし、塗装の時期をずらしてしまうと必要以上に費用が掛かってしまう事も多いので、同時に済ませてしまう方も多い箇所です。
旅行など、長期的に家を空ける際には雨戸を閉める方や、夕方には閉める方も多いと思います。
外壁はとても美しくなっていたとしても、雨戸のサビや汚れが目立ってしまうとやはりどうしても気になってしまうものです。
美観を保つ意味もありますので、外壁塗装と同時に済ませておきましょう。
金属部にあたりますので、塗料が付着しやすいようにサンドペーパーで傷をつける「ケレン」を施します。
使用する塗料は錆止め塗料など、金属部に合う塗料を使うこともあります。
破風板・鼻隠し:付帯部塗装の特徴
破風板・鼻隠しは屋根の先端を守る役割をしています。
屋根材の内部に雨水が侵入するのを防ぐ事を目的としているので、しっかりと塗装をしておかなければならない箇所です。
破風板・鼻隠しは雨風にさらされる箇所ですので、防水を怠ってしまうと劣化が進んでしまいます。
破風板・鼻隠しの素材は木材、金属、窯業系とお家によって様々ですので、素材に合う塗料を選択しましょう。
付帯部を一緒に塗装するメリット
今回まとめました付帯部塗装にはそれぞれ塗装の目的が違いましたが、どの箇所も基本的には外壁塗装と一緒にしたほうがメリットがある事が分かって頂けたでしょうか?破風や雨樋などは高所にあります、付帯部を別の機会に塗装する場合には再度、足場を組む必要があります。
ハシゴでの作業は危険が伴いますので、基本的には依頼があってもお断りさせていただいております。